洗面所は、家の中でも特に水濡れや湿気が多い場所です。そのため、床材を選ぶ際には、デザイン性だけでなく、機能性、特に耐水性や清掃性を重視する必要があります。どのような床材が洗面所に向いているのか、それぞれの特徴と選び方のポイントをご紹介しましょう。最もポピュラーで手軽なのが「クッションフロア(CF)」です。塩化ビニール製のシート状の床材で、耐水性に優れ、汚れも拭き取りやすいのが最大のメリットです。比較的安価で施工も容易なため、DIYにも向いています。デザインや色のバリエーションも豊富ですが、他の床材に比べると耐久性はやや劣り、重いものを置くと跡がつきやすいというデメリットもあります。次に人気なのが「フロアタイル」です。これも塩化ビニール製ですが、クッションフロアと違って硬質なタイル状の床材です。石目調や木目調などデザインが非常に豊富で、本物に近い質感を再現できます。耐久性が高く、傷つきにくいのも特徴です。クッションフロアよりは価格が高く、施工にもやや手間がかかりますが、高級感のある仕上がりになります。「フローリング」を洗面所に使う場合は注意が必要です。無垢材や複合フローリングは、木の温かみがあり見た目も美しいですが、水や湿気に非常に弱く、シミや反り、腐食の原因となります。もし採用する場合は、耐水性の高い塗装が施されたものを選んだり、こまめな手入れやマットを敷くなどの対策が不可欠です。「タイル」は、耐水性、耐久性、清掃性のいずれにおいても最も優れています。デザインも豊富で、高級感のある空間を演出できます。しかし、材料費、工事費ともに高価になりがちです。また、冬場は足元が冷たく感じられることや、硬いため物を落とした際に破損しやすい、滑りやすいといったデメリットも考慮する必要があります。床材を選ぶ際のポイントは、まず「耐水性」を最優先に考えることです。その上で、「掃除のしやすさ」「滑りにくさ(安全性)」「デザイン性」「予算」などを総合的に比較検討し、ご自身のライフスタイルや好みに合ったものを選びましょう。サンプルを取り寄せて、実際に色や質感を確認することも大切です。