厳しい寒さが予想される冬の夜や、長期間家を空ける際には、給湯器の凍結防止対策として水抜きを行うことが非常に重要です。正しい手順で行えば、誰でも比較的簡単に行えますが、いくつか注意点もあります。ここでは、一般的なガス給湯器を例に、水抜きの具体的な手順と注意点を分かりやすく解説します。まず、水抜き作業を始める前に、準備するものとしてマイナスドライバー(機種によっては不要な場合もあります)と、排出した水を受けるためのバケツや洗面器、そして手を拭くためのタオルなどを用意しておくと良いでしょう。作業は、必ず給湯器の運転を停止してから行ってください。給湯器のリモコンがある場合は、運転スイッチを「切」にします。次に、給湯器本体の電源プラグをコンセントから抜くか、専用のブレーカーを落として、完全に電源を遮断します。安全のために非常に重要な手順です。続いて、給湯器への水の供給を止めます。給湯器本体の下部や周辺に設置されている給水元栓(バルブ)を時計回りに回して、完全に閉めてください。バルブの形状は様々ですが、通常はハンドル式かレバー式です。次に、給湯器内部の水を抜きます。給湯器本体の下部には、通常、給水側と給湯側の両方に水抜き栓が付いています。まず、給水側の水抜き栓を反時計回りに回して緩めます。完全に外さなくても、水が出てくれば大丈夫です。同様に、給湯側の水抜き栓も緩めます。この際、水が勢いよく出てくることがあるので、バケツなどで受け止めましょう。水抜き栓の形状は機種によって異なり、手で回せるタイプや、マイナスドライバーが必要なタイプがあります。取扱説明書で確認してください。さらに、宅内の蛇口(お湯側)を全て開けます。キッチン、洗面所、浴室など、お湯が出る全ての蛇口を開けることで、配管内に残っている水が抜けやすくなります。しばらく待って、水抜き栓から水が出なくなったら、水抜き作業は完了です。開けた蛇口と水抜き栓は、そのまま開けた状態にしておきます。注意点としては、水抜き栓を緩める際に、熱いお湯が出てくる可能性があるため、火傷に十分注意してください。また、取り外した水抜き栓の部品(特にパッキンなど)を紛失しないように気をつけてください。機種によって水抜き栓の位置や形状、手順が異なる場合がありますので、必ずご自宅の給湯器の取扱説明書を確認しながら作業を行うことが最も重要です。