洗濯機の設置方法は、基本的な流れは同じですが、縦型洗濯機とドラム式洗濯機では、その形状や重量、構造の違いから、注意すべき点や設置の難易度に違いがあります。それぞれの特徴を理解し、適切な設置を行うためのコツをご紹介します。まず、最も大きな違いは「重量とサイズ」です。ドラム式洗濯機は、内部に大きなドラムとモーター、そして振動を抑えるための重りなどを内蔵しているため、縦型洗濯機に比べて非常に重く、サイズも大きい傾向があります。そのため、搬入作業の難易度が格段に上がります。購入前には、必ず搬入経路(玄関、廊下、ドアの幅など)と設置スペースの寸法を正確に測定し、搬入が可能かどうかを確認することが必須です。搬入時には、床や壁を傷つけないよう養生し、必ず二人以上で、場合によっては毛布や台車などを利用して慎重に運びましょう。次に、「輸送用固定ボルトの取り外し」です。ドラム式洗濯機には、輸送中の振動で内部のドラムが破損しないように、ドラムを固定するためのボルトが数本取り付けられています。設置時には、このボルトを必ず全て取り外す必要があります。これを忘れて運転すると、激しい異常振動や騒音が発生し、洗濯機本体が大きく動いたり、故障したりする原因となります。取り外したボルトは、将来引っ越しなどで洗濯機を移動させる際に再利用するため、大切に保管しておきましょう。縦型洗濯機には通常、この固定ボルトはありません。設置時の「水平調整」も、ドラム式の方がよりシビアさが求められます。ドラム式は高速でドラムが回転するため、わずかな傾きでも大きな振動や騒音につながりやすいからです。設置後は、必ず水準器を使って厳密に水平を確認し、4本の脚をしっかりと調整してガタつきを完全になくす必要があります。縦型洗濯機も水平設置は重要ですが、ドラム式ほどの厳密さは求められない場合もあります。給排水ホースやアース線の接続方法は、縦型もドラム式も基本的には同じですが、本体の形状が異なるため、接続口の位置や作業スペースの確保のしやすさに違いがあるかもしれません。特にドラム式は背面や側面に接続口がある場合が多く、設置場所によっては作業がしにくいこともあります。このように、ドラム式洗濯機の設置は、縦型に比べて重量やサイズ、固定ボルトの取り外し、水平調整のシビアさといった点で、より注意と労力が必要となります。