ガス電気石油給湯器タイプ別水抜き方法の要点

主に家庭で使用される給湯器には、ガス給湯器、電気を使う電気温水器やエコキュート、そして灯油を燃料とする石油給湯器があります。それぞれのタイプに応じた水抜きのポイントを知っておくことで、より適切で安全な作業が可能になります。まず、最も一般的なガス給湯器の水抜きは、これまで述べてきた手順が基本となります。給湯器本体の電源を切り、給水元栓を閉め、給水・給湯双方の水抜き栓を緩め、宅内の蛇口を開けて水を抜きます。機種ごとの水抜き栓の位置や形状を確認することが重要です。次に、電気温水器やエコキュートの場合です。これらはタンクにお湯を貯めておく貯湯式のため、ガス給湯器とは構造が大きく異なります。水抜きの手順もより複雑になる傾向があります。基本的な流れとして、まずタンクへの給水を止めるために給水元栓(止水栓)を閉めます。そして、タンク下部にある「逃し弁」のレバーを操作して圧力を抜き、さらにタンク下部にある「排水栓」を開けてタンク内の水を排水します。タンクの容量が大きい(数百リットル)ため、完全に排水するにはかなりの時間がかかります。また、ヒートポンプユニット(エコキュートの場合)やリモコンの設定など、機種ごとに特有の操作が必要になる場合があります。必ず取扱説明書で詳細な手順を確認し、不明な点はメーカーや専門業者に問い合わせるのが賢明です。最後に、石油給湯器(灯油ボイラー)の場合です。石油給湯器にも瞬間式と貯湯式がありますが、基本的な水抜きの考え方はガス給湯器や電気温水器と同様です。給水元栓を閉め、機器本体や配管の水抜き栓を開けて水を抜きます。貯湯式の場合は、タンクの水を抜く手順が必要になります。石油給湯器特有の注意点としては、燃料である灯油の配管(送油管)も凍結する可能性があることです。特に寒冷地仕様でない場合や、配管に保温措置がされていない場合は注意が必要です。また、減圧弁や安全弁といった部品の水抜きも必要になる場合があります。これも機種によって手順が異なるため、取扱説明書の確認が不可欠です。いずれのタイプの給湯器であっても、共通して言えるのは、取扱説明書をよく読み、その指示に従うことが最も重要であるということです。また、作業前には必ず電源を切り、安全に配慮して行うことが基本です。