給湯器凍結水抜きを怠った私の悲惨な体験

あれは忘れもしない、数年前の1月のことでした。天気予報では、数年に一度レベルの強烈な寒波がやってくると連日報道されていました。私の住む地域でも、最低気温がマイナス5度を下回るとのこと。正直、「まあ、大丈夫だろう」と高を括っていたのです。給湯器の水抜きなんて、これまで一度もやったことがありませんでしたし、なんだか面倒くさそうだな、と思っていたからです。寒波が襲来した朝、いつものように顔を洗おうと洗面所でお湯の蛇口をひねりました。しかし、待てど暮らせど出てくるのは冷たい水ばかり。おかしいな、と思いキッチンでも試しましたが結果は同じ。まさか、と思い給湯器のリモコンを見ると、エラー表示が出ています。慌てて外に出て給湯器を確認すると、配管の一部が妙に膨らんでいるような……。完全に凍結してしまったようでした。その日は日中も気温が上がらず、結局一日中お湯を使うことができませんでした。冷たい水で顔を洗い、食器を洗い、お風呂に入ることもできません。冬場にお湯が使えないことが、これほどまでに不便で辛いことなのかと思い知らされました。翌日、気温が少し上がり、凍結が自然に解けることを期待しましたが、状況は変わりません。エラー表示も消えず、どうやら凍結によって給湯器内部の部品か配管が破損してしまったようでした。仕方なく、インターネットで慌てて修理業者を探し、連絡を取りました。しかし、同じように給湯器の凍結トラブルに見舞われた家が多かったようで、どの業者も電話が繋がりにくく、繋がっても「すぐには行けません」「順番待ちです」との返答ばかり。ようやく翌々日に業者の方に来てもらうことができましたが、診断の結果は、内部の配管が凍結により破裂しているとのこと。部品交換が必要で、修理費用はなんと数万円にもなりました。業者の方からは、「これだけ冷え込む予報が出ていたのに、水抜きしなかったんですか?していれば防げた可能性が高いですよ」と、半ば呆れたように言われてしまいました。あの時、ほんの少しの手間を惜しまずに水抜きをしていれば、こんな不便な思いも、痛い出費もしなくて済んだのに……。本当に後悔しました。この一件以来、私は天気予報で氷点下の予報が出ると、必ず寝る前に給湯器の水抜きをするようになりました。あの辛い経験は、二度と繰り返したくありません。