用途別に徹底解説!ポンプの種類と特徴、選び方

ポンプは、液体や気体を移動させるために使用される機械で、私たちの生活や産業のさまざまな場面で活躍しています。しかし、一口にポンプと言っても、その種類は多岐にわたり、それぞれに特徴や得意とする用途が異なります。ここでは、主要なポンプの種類と特徴、そして用途に応じた選び方について解説します。まず、ポンプは大きく分けて「容積式ポンプ」と「非容積式ポンプ(ターボ型ポンプ)」の2つに分類されます。容積式ポンプは、ポンプ内部の容積を変化させることで液体や気体を移動させるもので、往復ポンプ(ピストンポンプ、プランジャーポンプ、ダイヤフラムポンプなど)と回転ポンプ(ギヤポンプ、ベーンポンプ、スクリューポンプなど)があります。往復ポンプは、ピストンやプランジャーなどの往復運動によって液体を吸入・吐出するポンプで、高圧力を発生させることができます。ダイヤフラムポンプは、ダイヤフラム(膜)の変形によって液体を吸入・吐出するポンプで、スラリー(固体粒子を含む液体)や腐食性液体の移送に適しています。回転ポンプは、歯車や羽根車などの回転運動によって液体を移動させるポンプで、比較的小型で高効率なのが特徴です。一方、非容積式ポンプ(ターボ型ポンプ)は、羽根車の回転によって液体に運動エネルギーを与え、それを圧力エネルギーに変換して液体を移動させるポンプで、遠心ポンプ、軸流ポンプ、斜流ポンプなどがあります。遠心ポンプは、羽根車が回転することで生じる遠心力を利用して液体を外周方向に送り出すポンプで、最も広く使用されているポンプです。軸流ポンプは、羽根車が回転することで生じる推力を利用して液体を軸方向に送り出すポンプで、大流量・低揚程の用途に適しています。斜流ポンプは、遠心ポンプと軸流ポンプの中間的な特性を持つポンプです。ポンプを選ぶ際には、まず、移送する液体や気体の種類(水、油、化学薬品、空気など)、流量(必要な送水量)、揚程(必要な圧力)、温度、粘度などを考慮する必要があります。また、設置場所や、運転条件(連続運転、間欠運転など)、メンテナンス性なども考慮して、最適なポンプを選びましょう。