特殊ポンプの種類と用途、ニッチな分野で活躍するポンプたち

一般的にはあまり知られていない、特殊な用途で使用されるポンプも数多く存在します。ここでは、代表的な特殊ポンプの種類と、その用途について解説します。まず、「真空ポンプ」は、容器内の気体を排出し、真空状態を作り出すために使用されるポンプです。真空ポンプは、食品の真空包装、電子部品の製造、医療機器、理化学機器など、さまざまな分野で使用されています。真空ポンプには、油回転真空ポンプ、ドライ真空ポンプ、メカニカルブースタポンプなど、さまざまな種類があります。次に、「マグネットポンプ」は、磁力の力で羽根車を回転させるポンプです。軸封部(シャフトシール)がないため、液漏れの心配がなく、腐食性液体や有毒液体の移送に適しています。化学工業、医薬品製造、食品工業などで使用されています。「チューブポンプ」は、弾性のあるチューブをローラーで押しつぶすことで、液体を移送するポンプです。液体がチューブ内のみを通過するため、汚染の心配がなく、医療用、食品用、分析用などに使用されます。「定量ポンプ」は、一定量の液体を正確に移送することができるポンプです。化学薬品の注入、食品添加物の添加、医薬品の製造など、精密な計量が必要な用途で使用されます。「スラリーポンプ」は、固体粒子を含む液体(スラリー)を移送するためのポンプです。鉱山、土木工事、下水処理などで使用されます。「高温ポンプ」は、高温の液体を移送するためのポンプです。ボイラー給水、熱媒循環、化学プラントなどで使用されます。「高圧ポンプ」は、高圧の液体を移送するためのポンプです。高圧洗浄機、油圧機器、ウォータージェット加工機などで使用されます。「水中ポンプ」は、水中に設置して使用するポンプです。井戸水、湧水、雨水、汚水などの排水に使用されます。これらの他にも、特殊ポンプにはさまざまな種類があります。例えば、ロケットの燃料を移送する「ロケットエンジン用ポンプ」、人工心臓に使用される「人工心臓用ポンプ」、深海調査に使用される「深海用ポンプ」などがあります。特殊ポンプは、それぞれの特殊な用途に合わせて、高度な技術が駆使されています。